「ピラティス種目一覧を体系的に知りたい」「マシンピラティスやリフォーマーの種目順が知りたい」——そんな方のために、すべての流派の原点となるクラシカルピラティスの種目構成を完全解説します。「ピラティス」という言葉を生んだジョセフ・ピラティス(1883〜1967)は、自身のメソッドを「コントロロジー(Contrology)」と名付けました。マット34種目・リフォーマー種目一覧(Basic / Intermediate / Advanced)、それぞれの順番と意図を網羅しています。
1|クラシカルピラティスとは
クラシカルピラティスとは、1945年にジョセフ・ピラティスが著書『Return to Life Through Contrology』に記した種目順・呼吸法・反復回数を忠実に継承するスタイルです。動作の順序を変えることも、省略することも、原則として行いません。
主な継承者はロマーナ・クリザノフスカ(Romana Kryzanowska)やジェイ・グライムス(Jay Grimes)など、ジョセフに直接指導を受けた「エルダー」と呼ばれる人々です。現在もロマーナズ・ピラティスやその流れを受けた指導者が世界中でこのメソッドを伝えています。
クラシカルピラティスを理解する3つのキーワード
- コントロロジー(Contrology):ジョセフが名付けた原典メソッドの名称。「身体と心を自らの意志でコントロールする」という哲学。
- パワーハウス(Powerhouse):腹部・背部・骨盤底筋群を指す「体幹の中心」。すべての動作はここから始まる。
- フラットバック(Flat Back):脊椎を床に押しつけるように意識するポジション。コンテンポラリーのニュートラルスパインとは異なる概念。
2|ジョセフが定めた6つの原則
クラシカルピラティスの動きはすべて、以下の6原則に基づいています。これらは独立したルールではなく、互いに関連し合いながら「質の高い動き」を生み出すシステムです。
動作に合わせた正確な呼吸。吸気で準備し、呼気で動く。胸郭を広げるラテラルブリージングが基本。「10回の正確な呼吸は100回の不正確な呼吸に勝る」
各動作に完全な意識を向ける。心と体の統合がピラティスの本質。何気なく動くのではなく、今この瞬間の感覚に集中する。
すべての動きを意識的にコントロールする。反動を使わず、筋肉で精密に制御することで怪我を防ぎ、効果を最大化する。
すべての動作の出発点となる「パワーハウス(体幹の中心)」を安定させる。四肢の動きはここからエネルギーが流れる。
各動作は正確に行い、無駄のない動きを目指す。「10回の正確な動きは20回の不正確な動きに勝る」とジョセフは語った。
動きは滑らかで連続的。種目と種目の間にも流れがあり、途切れることなく全体が一つのムーブメントとして繋がる。
3|コンテンポラリーとの主な違い
現在ピラティスにはさまざまな流派が存在しますが、クラシカルとコンテンポラリーの違いを理解することで、指導スタイルの選択が明確になります。
| 比較項目 | クラシカル | コンテンポラリー(例:STOTT・BASI) |
|---|---|---|
| 種目の順序 | 原典の順序を厳守・変更なし | 目的・対象者に合わせて柔軟に変更可 |
| 脊椎のポジション | フラットバック(腰を床に押しつける意識) | ニュートラルスパイン(自然な弯曲を保つ) |
| 難易度への対応 | 「その動きができるまで待つ」哲学。修正は最小限 | モディフィケーション(修正バリエーション)を積極活用 |
| 器具 | Gratz製など重めのスプリング器具を推奨 | Merrithew・Balanced Body等の現代的な器具 |
| 種目間のつながり | トランジション(移行動作)も訓練の一部 | 種目ごとに準備・説明を入れる場合も多い |
| 解剖学の活用 | ジョセフの哲学・経験知を優先 | 現代解剖学・運動生理学を積極的に統合 |
| リハビリ対応 | 原則として全員同じメソッドを適用 | 障害・医療的状態に合わせた個別プログラム可能 |
4|ピラティス マット種目一覧(34種目)の構成と順番
ジョセフは『Return to Life Through Contrology』の中で、34種目を特定の順序で示しました。これは単なるリストではなく、「体を段階的に目覚めさせ、最後は立って終わる」という物語として設計されています。
マット34種目の設計哲学
- ハンドレッドで心拍数を上げ、コア(パワーハウス)を目覚めさせるところから始まる
- 屈曲→回旋→伸展と、脊椎のあらゆる方向の動きを段階的に組み込む
- 難易度は緩やかに上昇し、バランス・コントロール系で頂点に達する
- 最後はプッシュアップ(No.34)で「立って終わる」。これがジョセフの意図した締め
出典:Joseph Pilates『Return to Life Through Contrology』(1945)、Pilatesology Classical Mat Order(pilatesology.com)
5|リフォーマー種目一覧|マシンピラティス(Basic / Intermediate / Advanced)
クラシカルリフォーマーの種目一覧は、マシンピラティスの基本として最も参照されるリストです。マットと同じ「フットワークで全身を温め、体幹を鍛え、立って終わる」という流れを持ちます。レベルが上がるにつれて種目が追加され、より高度な協調性とコントロールが求められます。スプリング本数(sp)はGratz器具準拠です。
クラシカルリフォーマーの設計哲学
- フットワーク(4スプリング)で体を温め、足・膝・骨盤のアライメントを確認する
- ハンドレッドで体幹を起こし、その後のすべての種目の土台を作る
- ストマックマッサージで座位の体幹強化、ニーストレッチで全身統合
- ランニング→ペルビックリフトで締め、スプリッツで脚の柔軟性を仕上げる
- Gratz器具は重めのスプリングで「器具が体に正しい動きを教える」感覚が強い
Basic
初級Intermediate
中級Advanced
上級sp = スプリング本数(Gratz器具準拠)。出典:Pilatesology Classical Reformer Order(pilatesology.com)
この記事のまとめ
- クラシカルピラティスは、ジョセフ・ピラティスが「コントロロジー」と名付けた原典メソッドを忠実に継承するスタイル
- 呼吸・集中・コントロール・センタリング・正確さ・フローの6原則がすべての動きの土台
- コンテンポラリーとの最大の違いは「種目順序の変更・省略をしない」こと、脊椎はニュートラルスパインではなくフラットバック
- マット34種目は「ハンドレッドで始まり、プッシュアップで立って終わる」一つの物語として設計されている
- リフォーマーはBasic・Intermediate・Advancedの3段階で構成され、レベルごとに段階的に種目が追加される
- どのレベルでもフットワーク→ハンドレッドで始まり、ランニング→ペルビックリフトで締めるという骨格は共通
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