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BASI Pilatesの最大の特徴は「ブロックシステム®」と呼ばれる独自のシークエンス設計にあります。数百にのぼる種目を論理的なブロックに分類し、柔軟な枠組みの中でクライアント一人ひとりに適した授業を構成できます。本記事では、マットピラティスとリフォーマーのブロック構成と具体的な種目例を詳しく解説します。
1|BASIブロックシステム®とは
BASIの創設者ラエル・イサコウィッツが考案した「ブロックシステム®」は、ピラティスのレパートリーを論理的な順序でカテゴライズした"整理システム"です。
💡 ブロックシステムの3つの本質
① 順序の意味:各ブロックは前後のブロックと身体的・生理学的なつながりを持って設計されている
② トランジション重視:ブロックとブロック間の"移行動作"も指導の一部。これがBASI独自の「Flow」を生む
③ 柔軟な個別対応:ブロック順序は固定しつつ、各ブロック内の種目はクライアントに合わせて入れ替え可能
マットとリフォーマー、共通のブロック構成
マットピラティスとリフォーマーは使用する器具が異なりますが、ブロックシステムの大きな枠組みは共通しています。以下の12ブロックが基本構成です。
| # | ブロック名 | 主な目的 | マット | リフォーマー |
| 1 | ウォームアップ | 脊椎・呼吸・アライメントの準備 | ○ | ○(器具上で実施) |
| 2 | フットワーク | 下肢アライメント・骨盤安定性 | △(レッグサークル等で代替) | ◎(専用ブロック) |
| 3 | アブドミナル | 体幹深層・コアコントロール | ○(ハンドレッド等) | ○(ショートボックス等) |
| 4 | ヒップワーク | 股関節周囲筋・骨盤腰椎安定化 | △(バリエーション) | ◎(ストラップ使用) |
| 5 | スパイナルアーティキュレーション | 脊椎の分節的運動 | ○(ロールオーバー等) | ○(ショート/ロングスパイン) |
| 6 | ストレッチ | 股関節屈筋・大腿四頭筋リリース | ○(サイドキック等) | ○(ランジ系) |
| 7 | フルボディ・インテグレーション I | 全身統合(基礎〜中級) | ○(ローリング系) | ○(ニーストレッチ・アップストレッチ等) |
| 8 | アームワーク | 上肢・肩甲帯の強化と安定 | ○(プッシュアップ等) | ○(仰臥位・座位・膝立ち) |
| 9 | フルボディ・インテグレーション II | 高強度の全身統合(上級) | ○(コントロールバランス等) | ○(プランク・ジャンプ等) |
| 10 | レッグワーク | 内転筋・外転筋の強化 | ○(サイドキックシリーズ) | ○(側臥位バリエーション) |
| 11 | ラテラルフレクション/ローテーション | 側屈・回旋の可動性と体幹強化 | ○(マーメイド等) | ○(マーメイド・サイドオーバー) |
| 12 | バックエクステンション | 脊柱起立筋・後面鎖の強化 | ○(スワン等) | ○(ブレストストローク・プリングストラップス) |
2|マットピラティスのシークエンス
マットピラティスは器具なしで行う最も基本的な形式です。BASIでは同じブロック構成に沿い、マット上で実現できる種目を選択します。
1
ウォームアップ
脊椎・呼吸の準備 / セッションの「トーン」を設定する最重要フェーズ
▼
Fundamental(基礎)
チェストリフトチェストリフト with ローテーションスタジオ・ダブルレッグストレッチ
Intermediate(中級)
ロールアップダブルレッグストレッチシングルレッグストレッチクリスクロス
3
アブドミナル(腹部強化)
体幹の深層強化・コアコントロール
▼
Fundamental
ハンドレッドプレップシングルレッグサークル
Intermediate
ハンドレッドロールオーバーシングルレッグストレッチダブルレッグストレッチシングルストレートレッグダブルストレートレッグクリスクロス
Advanced
ティーザーティーザーI / II / IIIヒップサークル(コントロール)
5
スパイナルアーティキュレーション
脊椎の分節的運動・体幹コントロール
▼
Fundamental → Advanced
ロールライクアボールスパイン・ストレッチ・フォワードオープンレッグロッカーコークスクリューソーニー ストレッチ
7
フルボディ・インテグレーション I
全身統合・体幹と四肢の協調(基礎〜中級)
▼
Fundamental → Intermediate
スワンダイブプレップチャイルドポーズ(トランジション)シールドローリング(ボール系)
Fundamental → Intermediate
プッシュアッププッシュアップI / IIサイドベンド(腕支持)
9
フルボディ・インテグレーション II
高強度の全身統合(上級・マスター)
▼
Advanced / Master
ジャックナイフコントロールバランスバイシクルショルダーブリッジ
サイドキックシリーズ(側臥位)
サイドキック(フロント・バック)サイドキック(アップ・ダウン)サイドキック(サークル)インナーサイリフトバナナ
11
ラテラルフレクション/ローテーション
側屈・回旋方向の脊椎可動性と体幹強化
▼
12
バックエクステンション
脊柱起立筋・後面鎖の強化・セッションの仕上げ
▼
Fundamental → Advanced
スワンプレップスワンスワンダイブロッキングビーティングオンザベリースイミング
※ セッションの締めとして体の後面を強化・伸張させ、前後バランスを整えて終了する役割を担う。
3|リフォーマーのシークエンス(BASIブロックシステム®)
リフォーマーでは、マットと同じブロック構成の中に器具特有の種目が加わります。特に「フットワーク」「ヒップワーク(ストラップワーク)」「スパイナルアーティキュレーション」はリフォーマーならではの充実したブロックです。
1
ウォームアップ
器具上でのアライメント確認・呼吸・脊椎の準備
▼
Fundamental
ロールダウン(立位→乗車前)チェストリフトチェストリフト with ローテーションスタジオ・ダブルレッグストレッチ
Intermediate
ロールアップ(ボックス上)シングルレッグストレッチクリスクロス
※ ラエル・イサコウィッツは「この瞬間がセッション全体のトーンを設定する」と強調。ウォームアップを丁寧に行うことがBASI流の重要な特徴。
2
フットワーク
下肢アライメント・脚力・骨盤安定性の確認と強化 ※リフォーマー最重要ブロック
▼
全レベル共通(約9〜10ポジション・順序固定)
パラレルヒール
パラレルトー
Vトー(ターンアウト)
オープンVヒール
オープンVトー
カーフレイズ
プランス(連続カーフ)
プレヘンサイル
シングルレッグ(ヒール)
シングルレッグ(トー)
※ フットワークはウォームアップの延長であり、足首・膝のアライメント、左右差、筋の動員パターンをインストラクターが観察する「診断的ブロック」としての役割を兼ねる。ハムストリングスの偏心収縮を特に重視。
3
アブドミナル(腹部強化)
体幹の深層強化・コアコントロール
▼
Fundamental
ハンドレッドプレップ
Intermediate — ハンドレッド系
ハンドレッドコーディネーション
Intermediate — ショートボックスシリーズ(ロングボックス使用)
ラウンドバック
フラットバック
ティルト(サイドベンド)
ツイスト(ローテーション)
ラウンドアバウト
クライムアツリー
4
ヒップワーク(ストラップワーク)
股関節周囲筋・骨盤腰椎の安定化
▼
Fundamental(ストラップ使用・仰臥位)
フロッグサークルズダウンサークルズアップオープニングス
Intermediate
フロッグ・エクステンデッドフロッグ・エクステンデッド・リバース
5
スパイナルアーティキュレーション
脊椎の分節的運動・体幹コントロール
▼
Fundamental → Intermediate(難易度順)
ボトムリフト(ブリッジ)
ボトムリフト with エクステンション
ショートスパイン
ロングスパイン
※ ロングスパインはBASIリフォーマーの代表的かつ難易度の高い種目。脊椎全体の可動性と体幹強度が必要。
6
ストレッチ
股関節屈筋群・大腿四頭筋のアクティブリリース
▼
ランジ・スタンディング(F)ランジ・ニーリング(I)ランジ・フォワード(I)
※「伸ばす」は受動的ストレッチではなく、アクティブな安定を伴うスタビリティ・ストレッチとして実施する。
7
フルボディ・インテグレーション I
全身統合・体幹と四肢の協調(基礎〜中級)
▼
ニーストレッチグループ
スクーター・ラウンドバック(F)スクーター・フラットバック(F)ニーストレッチ・ラウンドバック(I)ニーストレッチ・フラットバック(I)ニーストレッチ・リバース(I)
アップストレッチ/ダウンストレッチグループ
アップストレッチ1(F)エレファント(F)アップストレッチ2(I)ロングストレッチ(I)ダウンストレッチ(I)
ストマックマッサージグループ
ストマックマッサージ・ラウンドバック(I)ストマックマッサージ・フラットバック(I)ストマックマッサージ・リーチング(I)
Fundamental — アームズ・スパイン・シリーズ(仰臥位)
エクステンションアダクションサークルズアップサークルズダウントライセップス
Intermediate — アームズ・シッティング・シリーズ(座位)
チェストエクスパンションバイセップスロンボイドス1ロンボイドス2ハグアツリーサルート
Intermediate — アームズ・ニーリング・シリーズ(膝立ち)
チェストエクスパンションサークルズアップサークルズダウントライセップスバイセップス
11
ラテラルフレクション/ローテーション
側屈・回旋方向の脊椎可動性と体幹強化
▼
マーメイド(I)マーメイド・バリエーションサイドオーバーズ
12
バックエクステンション
脊柱起立筋・後面鎖の強化・セッションの仕上げ
▼
Fundamental → Intermediate(難易度順)
ブレストストロークプレップ1
ブレストストロークプレップ2
ブレストストローク
プリングストラップス1
プリングストラップス2
※ セッションの締めとして体の後面を強化・伸張させ、全体をバランスで終わらせる役割。
💡 BASIリフォーマーの3つの特長
① フットワークは「診断ブロック」:足首・膝のアライメント、左右差をインストラクターが観察する。ハムストリングスの偏心収縮を特に重視。
② トランジション(移行)を指導の一部とみなす:ブロック間の切り替え動作もFlowの一環。無駄のない美しい動きと身体機能の両立がBASIの哲学。
③ 12名クラスでも個別対応できる設計:ブロック順序は固定しつつ、ブロック内の種目を各人のレベルに合わせて入れ替えられる柔軟性を持つ。
この記事のまとめ
- BASIブロックシステム®はマット・リフォーマー共通の12ブロック構成を持つ
- マットはハンドレッド・スワン等のクラシカル種目を中心に構成される
- リフォーマーではフットワーク(10ポジション)・ヒップワーク・スパイナルアーティキュレーションが特に充実
- フットワークは診断的役割を兼ね、アライメントや左右差を観察する重要ブロック
- ブロック間のトランジション(移行動作)も指導の一部として扱うのがBASI流
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